100年の歴史を持つ漬物屋の樽をレストランのテーブルに
- Client
- Natural Base (合同会社to U)
- Overview
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岐阜市美殿町で100年の歴史をもつ漬物屋が閉店し、その場所は⾃家栽培のハーブや無添加の調味料と無農薬の食材を使ったレストランとして生まれ変わることになりました。そのレストランのオーナーがこの漬物店の歴史を受け継ぎたいとの思いで、長く使われてきた樽をテーブルなどに生まれ変わらせることはできないか、という依頼から本プロジェクトがスタートしました。
加工されたテーブルからは、もともと樽だったことは想像つかないですが、確かにその場所にある地域の資源、歴史をつないだプロジェクトです。 - Works
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- 企画立案
- 調 査
- 製 材
- 木材乾燥
- デザイン・設計
- 3Dモデリング
- 試 作
- 製作ディレクション
- 加工・製造
- 施工・設置
- Detail
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[プロジェクト期間]
2021年6月~11月
[使用地域材]
漬物樽
[塗装]
ガラス塗料
About This Consulting
依頼事項・経緯
地域に根差して営まれてきた漬物店。その建物の外観をそのまま生かしレストランを運営されるナチュラルベースさん。それは、建物だけではなく、そこで使われていた道具たちも同じように使えるのであれば使いたい、という思いで、今回樽をテーブルにできないか、との相談をいただきました。
課題
樽はそもそも丸い形状であり、タガを外すと湾曲したバラバラの板になります。長年使われてきた樽は劣化もあり、さらにさまざまな成分がしみこんでいます。含水率を計測すると20%近くあり(通常家具で使用する材料は10%以下が目安)、乾燥もさせないといけません。
これらをどのようにテーブルの材料にできるかが課題でした。
デザイン・設計
樽に使われていたのは主に杉でした。木材の中でも非常に軽く柔らかい杉はテーブルとしては不向きとされています。そのため、テーブルすべてをこの樽の材料から制作することはせず、天板の表層のみに使うことにしました。天板の基材としてはランバーコア合板を使用し、アイアンの脚が確実に固定できるようにしました。
製作
樽からとれる杉材は2か月ほど乾燥させ、湾曲部を削り落とし薄い板に加工しました。それらをただ並べるだけではなく、伸縮がおきても継ぎ目が隙間にならないように相欠き加工を施し、基材の合板に接着しました。