幼稚園 三角形のこどもイス
- Client
- 後藤学園 カトレヤこども園
- Overview
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子どもたちの発育を第一に考え、園オリジナルのデザイン・設計された家具や設備を使用されているカトレヤこども園。そこで使われている木製の椅子のリニューアルを担当させていただきました。
*デザイン:カトレヤこども園 - Works
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- 企画立案
- 調 査
- 製 材
- 木材乾燥
- デザイン・設計
- 3Dモデリング
- 試 作
- 製作ディレクション
- 加工・製造
- 施工・設置
- Detail
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[製作年月]
2022年7月
[場所]
カトレヤこども園(岐阜県岐阜市)
[使用地域材]
ヒノキ
[塗装]
オイル
About This Consulting
依頼事項・経緯
あらゆる家具、什器、設備をオリジナルで制作するほどこだわりがあるカトレヤこども園様。今回、数年前にオリジナルのデザインで作った子ども用の木製イスが壊れるので壊れない構造で作ってほしいという相談をいただきました。座面が欠けてしまったり、木組みされている箇所が緩んでしまってグラグラになっているイスが多くありました。製造業者によって修復された跡も多くありましたが、根本的解決には至っていないようでした。
課題
初回の打ち合わせで、壊れている三角形のイスを拝見したところ、木材の性質を無視した作りだったため、この構造であれば数年で壊れてしまうというポイントをいくつか挙げさせていただきました。ツバキラボで作る場合、そのような構造的欠点を持たせず、木の性質にあったつくりにすることが可能です。
デザイン・設計
座面は三角形、脚は六角形で、年齢に合わせた座面高というのはカトレヤこども園様のオリジナルであり守るべきところです。その条件の中で、長く使える構造を実現するためには、まず性質を踏まえた木の使い方が必要です。魚や牛でも部位によって特色があるように、木にも部位によって性質が変わります。座面、脚、幕板などすべてのパーツにおいて木の使い方、寸法を見直しました。
もともと作られたイスは脚と幕板がダボ接ぎだっため接合が弱く、外れるものが多くあったため、ツバキラボではほぞ組でさらに足の内部でほぞ同士がさらにお互い接合する特殊な2段ほぞ組の仕口加工を施しました。
座面は、木の伸縮を抑えるため、柾目板を三角に接ぎ合わせました。それが独特の美しさを生み、並べたときもきれいに見えるデザインとなりました。
製作
一見すればシンプルな三角の椅子です。しかし、座面の接ぎ合わせ、脚と幕板の二段ほぞ組など高度な木工技術でくみ上げています。