和傘を美しく飾るためのスタンド
- Client
- 和傘専門店 Casa
- Overview
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全国屈指の和傘の産地である岐阜県岐阜市。その岐阜和傘の専門店であるCasa(カーサ)からのご依頼で、和傘用のスタンドを制作しました。
繊細で可憐な和傘をスマートに飾り、和傘の美しさを引き立てるることができるよう、必要最低限の構成にそぎ落としました。 - Works
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- 企画立案
- 調 査
- 製 材
- 木材乾燥
- デザイン・設計
- 3Dモデリング
- 試 作
- 製作ディレクション
- 加工・製造
- 施工・設置
- Detail
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[製作年月]
2020年11月
[場所]
和傘専門店 Casa (岐阜県岐阜市)
[使用地域材]
ヒノキ / ヤマザクラ
[塗装]
オイル
About This Consulting
依頼事項・経緯
和傘にはインテリアとして飾る用途もあり、そのためには和傘を美しく飾ることができる専用のスタンドが必要です。これまで販売してきたスタンドは頑丈なつくりではあるものの、インテリアとして扱うには難しく、モノもかさばることからリニューアルが求められていました。
職人さんが高齢化し、制作をつづけることが難しくなったということで、ツバキラボに相談に来られました。
課題
依頼事項の中には、それまでのモノは大きくかさばるためECで購入された際の発送に苦労する、という話がありました。そのため普段はコンパクトにしまうことができ、使うときだけ組み立てられると良いという意見がでました。傘は斜めに飾るため荷重がかかります。組み立て式で、かつ強度を担保でき、それでいてもなおシンプルな構造のスタンドが求められていました。
デザイン・設計
デザインするにあたり、本当に必要なパーツのみにそぎ落とし、その最低限のパーツで最大限の強度を出すことができる設計を心掛けました。最終的に4つの部材にまでそぎ落とし、そのうち3つはコの字に五枚組接ぎで頑丈に組まれており(それも意匠のひとつ)、残りの一つをはめ込むことでスタンドとして機能するようデザインしました。はめ込む箇所には互いにマグネットを仕込み、簡単に着脱ができるようにしています。
和傘の柄がまっすぐでも斜めでも、差し込まれた際に位置が固定されるように、先端がはまる溝を掘り込み加工し、より安定性が増すようにしました。
製作
制作における一番のポイントは3つのパーツをコの字に組む五枚組接ぎです。和傘のすべての荷重を受け止めるため嵌めあいで頑丈にくみ上げる必要があります。しかもその仕口(接合部)は直角ではなく斜めに組まれるため、高精度な加工が求められます。飛騨の匠の技術を受け継ぐツバキラボだからこそ成しえる技です。
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