防災を学ぶコロコロゲーム「トヨカワスイッチ」
- Client
- 株式会社ナックプランニング
- Overview
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防災・環境・ソーシャル分野のデザインファーム 株式会社ナックプランニング様のご依頼で、愛知県豊川市防災センター、および名古屋大学防災館に設置される木製のコロコロゲームを制作いたしました。
大きな地震、小さな地震をボールの大きさで表現し、それぞれのボールによって起こりうる災害を様々なアクションで表現しています。 - Works
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- 企画立案
- 調 査
- 製 材
- 木材乾燥
- デザイン・設計
- 3Dモデリング
- 試 作
- 製作ディレクション
- 加工・製造
- 施工・設置
- Detail
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[製作年月]
2019年9月~2020年4月
[設置場所]
豊川市防災センター
名古屋大学防災館[使用地域材]
岐阜県産ヒノキ
About This Consulting
依頼事項・経緯
2011年の東日本大震災や近年多発する大規模水害などをきっかけに防災に対する人々の意識は高まっています。教育の分野でも防災は非常に重要なトピックであり、いかに子どもたちに防災について学んでもらうかは、防災に携わる人々にとって大事なテーマとなっています。
愛知県豊川市の防災センターのリニューアルに合わせ、展示品・遊具も見直されることになりました。そして、コロコロゲームは子どもたちにとても人気なアトラクションで、かつそれを親しみを持ちやすい木製のものを導入しようとなり、ツバキラボにその制作を相談に来られました。
課題
「コロコロゲームは子どもたちに人気のあるアトラクションであること」、「木のものは親しみを持ちやすい」この2つはどちらも正しいことですが、それを一つに合わせて実現させることはとても難しいことです。クライアントである株式会社ナックプランニング様も、ツバキラボにご相談に来られる前にいくつかの木工所に断られており、”そもそも実現可能なのか?”というところで悩まれておられました。
ボールが転がる際に起こるアクションを実現させるにはどういう要素が必要かなど、検証するにあたりひとつひとつのアクションの精査を注意深く行う必要があり、さらにそれら全体を一つの木工品としてにまとめ上げなければいけません。
デザイン・設計
地震が発生した際に、どんな災害がどういう順番で起こるのか。それは地震の規模よにってどう変わるのか。株式会社ナックプランニング様を通じて名古屋大学の防災の専門の先生に監修をいただきながら、コロコロゲームとしての遊びと災害のリアリティ、そして木工の技術のちょうどよい着地点を目指し、設計いたしました。ベースとなるデザインは株式会社ナックプランニング様にご用意いただけたので、ツバキラボとしてはいかにそのデザインを木で実現させるかというところでサポートさせていただきました。
制作
製作においては試行錯誤の連続でした。大きい地震が起きた時の津波を表す大きくうねったレーンにさらにカタンカタンと音が鳴る仕組み。途中でボールが止まってしまうことも多く、傾きやボールの重さなど一つ一つ検証し、何度も作り直しをしながら制作していきました。
3段目のビルや家が揺れるアクションでは、単純にボールが当たって揺れるだけでなく、その揺れ方にも防災の先生からご指摘があり、さまざな素材を試しながら妥協点を探っていきました。
そのほかのアクションにおいても同様に、実現させたいアクションをいかに木で形にするか、何度も何度も試作を繰り返し、最終的に防災を学べるコロコロゲームが完成しました。